ミトコンドリアでウイルス対策
- 1、ミトコンドリアは抗ウイルス
細胞内小器官の一つであるミトコンドリアが健康のために重要であることは、この紙面を通してよくご存じだと思います。
ミトコンドリアは、エネルギー物質であるATPを産生し生命を維持していますが、別の形でも生命を維持するために働いています。
ミトコンドリア自体の働きとしても自然免疫の維持がありますが、ATPにも自然免疫を高める働きがあります。自然免疫は、抗ウイルスとして働きます。
今回は、ウイルス撃退のためミトコンドリアが必要であることを解説します。新型コロナウイルスは、各地で新規感染をもたらしていますが、ミトコンドリアを活性化して、ぜひウイルス対策をして下さい。
- 2、ミトコンドリアは重要な器官
ミトコンドリアは、体重のなんと10%を占め、細胞の中では20~40%をミトコンドリアが占めています。1つの細胞に平均的に2000~5000個存在します。
神経や筋肉には比較的多く存在し、胎児のもとになる卵子には、10万個ものミトコンドリアが存在します。
ミトコンドリアは、毎日人体と同じ重さのATPを合成して、代謝を順調に回しています。
ATPは、精神安定に必要である他、うまみを感じる際にも必要です。
ATPの多くは、物質の合成や解毒に使われます。ミトコンドリアの機能低下は、解毒ができないことになります。
ミトコンドリア機能低下は、癌や慢性疲労、精神疾患、糖尿病など各種疾患と関係します。
- 3、ミトコンドリア機能アップ策
ミトコンドリア機能は、薬の多剤摂取や運動不足、食べ過ぎ、アルコール、脂肪の多い食事、肥満、歯周病などで低下します。
腸内環境が悪くお通じが悪い場合も体内に炎症を起こしミトコンドリアの機能が低下します。
ミトコンドリアを増やす食材として、トマト、ニンニク、ニラ、ブロッコリースプラウト、ウーロン茶が知られていますので、それらの食材を食卓に取り入れるべきです。
抗炎症、抗酸化素材は、ミトコンドリア機能を高めます。
ウコンのクルクミン、ブロッコリーやブロッコリースプラウトのスルフォラファン、アスパラガスやアボカドのグルタチオン、玉ねぎに含まれるセレンやケルセチン、緑茶のカテキン、ウーロン茶ポリフェノール、小魚の内臓に含まれるコエンザイムQ10、ローズマリーのカルノシン酸、赤ワインのレスベラトロール、トマトやジャガイモに含まれるオスモチン、ピーマンや大根に含まれるビタミンC、ほうれん草や人参に含まれるαリポ酸、レバーに含まれるビタミンB群は、ミトコンドリアの機能を活性化するために役立ちます。
- 4、抗ウイルスにはミトコンドリア
ミトコンドリアの数の増加及び機能向上は、自然免疫を高め抗ウイルスになります。
ミトコンドリアの機能に自然免疫の維持があるからです。
SODやグルタチオンペルオキシダーゼなどの抗酸化酵素は、ミトコンドリアの劣化を防ぎ、その機能を上げます。
運動や腹八分などのカロリー制限は、ミトコンドリアの再生を促し、結果的にウイルスに強い体を作ります。
抗ウイルス作用がある物質は、キノコ類に含まれるβグルカン、ビタミンC、緑茶のカテキン、鶏卵や魚卵に含まれるビタミンDがあります。
- 5、抗ウイルス料理
ここでミトコンドリアを活性化して、抗ウイルスになる料理を紹介します。
① ニンニクトマトスープ
オリーブ油でローズマリー、ニンニクと玉ねぎの刻みを軽く炒めて、刻んだトマト、赤ワイン、適量の水、ブロッコリースプラウト、手で裂いた舞茸を入れ、塩胡椒で味付けします。甘く味付けするためにフラクトオリゴ糖を入れるといいでしょう。
② 卵とトマトの炒め物
オリーブ油でニンニクを軽く炒めた後に角切りにしたトマトを入れて炒め、溶き卵を入れて、仕上げにブロッコリースプラウトを入れて混ぜたら完成です。塩胡椒あるいはコンソメ、出汁パウダーで味付けして下さい。
③ 鮭と舞茸のガーリック炒め
オリーブ油でスライスしたニンニクを炒め、それに鮭を入れて焼き目をつけます。そこに手で裂いた舞茸、刻んだニラを入れて、塩胡椒で味付けます。
- 6、まとめ
今回は、抗ウイルスのために、ミトコンドリアの数を増やし、機能を高める必要性について解説しました。
食べ物でも抗ウイルスができるので、上記の料理をご自身の創作も加えて作ってみて下さい。
食事の際は、緑茶かウーロン茶、アルコールなら赤ワインを飲まれて下さい。
ウイルスに対しても、やっぱり「抗酸化生活」は大切、今日からでも実践して下さい。