病は口から入ってくる
1、 病は口から入ってくる
「病は口から入ってくる」は医食同源にも通じる言葉です。
私たちは体にいいものを入れているつもりでも、同時に添加物などの悪いものも口から入ってきます。
現代は”飽食の時代”と言われていますが、食材や食品の種類が多くなった分、化学物質物が食品に入り込み、それらを知らず知らずの内に体内に蓄積しているのです。
これら化学物質が病気と関係しています。どのような対策をしたらいいのか、この記事で解説してみたいと思います。
2、 食べ物で遺伝子が変わる
サプリメント外来(栄養療法外来)では、食やサプリメントを用いて治療を行います。一部の薬剤やライフスタイルの変更も指示することがあります・・・。
外来では、栄養素を摂取してもらうことだけが目的ではありません。
その目的は、①不足栄養素の補充、②解毒の促進、③遺伝子をコントロール、④腸内環境を整える、⑤代謝を整えるなどがあります。中でも解毒は大切です。
食事で遺伝子をコントロールするなんて・・・って思う人もいると思いますが、長寿遺伝子をONにする成分も知られています。
サプリメントや特定の食材を摂取することで、私たちの細胞内遺伝子が変化しているのです。最新の栄養療法はそこを狙いとしている部分もあります。
3、 免疫を上げる食材
年に何度も風邪を引く人がいますが、一度も風邪を引かない人もいます。おそらく腸内環境の違い、食べているものの違い、遺伝子の違いなどが関係しています。
食材をきちんとセレクトすると免疫力はアップします。
では、その食材をあげてみましょう。
① 長ネギ(緑の部分)、②ブロッコリー(茎以外の部分お勧め)、③アスパラガス(地面に違い部分)、④ニガウリ、⑤舞茸、⑥モズクは免疫をあげる食材です。
これら免疫が上がる食材は朝か夕に食することをお勧めします。NK細胞活性は昼前にピークで上がります、また癌は夜中に増殖するので、特に癌の方は夕食に免疫をあげておく必要があります。
4、 解毒を促進する食材
いいものを摂取しても、有害金属、添加物などの悪いものが体にあれば健康を害します。
解毒を促進するには、お通じをよくすること、おしっこを出すこと、汗をかくことの3つが重要です。
おしっこを出すには、飲水が必要です。飲水後に汗や尿となって有害物が排泄されます。
お通じをよくするには、食物繊維と善玉菌が必要です。さらに胆汁を排泄すること、解毒に使えるミネラル、モリブデンやセレンを摂取することも大切です。
フラクトオリゴ糖を甘味料として使用し、野菜では牛蒡やオクラ、タケノコ、キノコ、こんにゃく、モズクを用いて下さい。また、善玉菌は、キムチや納豆、テンペなどの発酵食品で摂取できます。
砂糖を取り過ぎると、腸内環境が悪化しますので、少なめにする必要があります。
ミネラルとしては、セレンを含む玉ねぎ、モリブデンを含むバジルが必要です。さらに解毒成分であるケルセチンを含む玉ねぎの摂取も有用です。
5、 食事、サプリメントを活用した外来の結果
このように解毒をしながら、栄養素を補充し、腸内環境を整えてくると一定の治療効果が得られます。
① 前立腺癌・・・前立腺癌は西洋医学的治療に加えて、栄養やサプリメントを用いるとうまくいくケースがあります。
② 乳癌・・・すべての西洋医学的治療を拒否している方が、サプリメントや栄養療法で転移したリンパ節が消失したケースがあります。その方は長いこと元気でいました。
③ 動脈硬化・・・栄養療法の指導で改善することが多いです。
④ 関節リウマチ・・・関節の破壊が進行して止まらない方が、免疫を調整する食材を摂取し、軟骨の破壊が減少しているのが確認されました。
⑤ 下肢切断・・・糖尿病で足の血流が低下して、切断を余儀なくされた症例です。キレーションという点滴やサプリメント、食事指導したところ、下肢切断を免れました。
これらの症例は、栄養療法の一部ですが、その有用性を物語っています。
6、 糖質の多い食品を避ける
このような栄養指導では、腸内環境の悪化をもたらすため、過度の糖質を控えてもらっています。
甘味料は、フラクトオリゴ糖をお勧めしています。
砂糖類の摂取が多量になるとAGEが体内にできて、活性酸素を産生する原因になり、体がさびる要因になります。
具体的には白米に、玄米や押し麦、豆類をまぜたり、パスタ、麺類、パンなどの炭水化物の全体量を減らすことをお勧めしています。
青汁など食物繊維と一緒に摂取すること、よく噛むこと、酸っぱいもの、酢の物と一緒に摂取すると糖質の吸収が抑制されますので、お勧めです。
7、 歯科金属の害
歯科金属で使用する材料としてアマルガムが知られています。
アマルガムは、水銀を含有し、代謝を阻害して健康を害します。
口の中に金属があること自体、疾患と関連する場合があります。水銀は、アトピー性皮膚炎の要因になります。できるだけ除去することをお勧めします。その場合は、きちんと除去できる歯科医師に相談して下さい。
8、 食品添加物の害
着色料や甘味料、保存料などの食品添加物は、できるだけ摂取しない方がいいものです。代謝に影響するばかりではなく、人によっては糖尿病や癌の発症要因になったり、動脈硬化をもたらしたり、腸内環境を悪化させるなどの悪影響をもたらします。
9、 抗酸化のNo.1であるSOD酵素
SOD酵素は、ビタミンCを代表とする各種抗酸化剤と比較しても、段違いに強い力で体を抗酸化します。
運動やサプリメントで、SOD酵素はあがります。
栄養素では、SOD酵素の補助をするミネラルである亜鉛を含有する大豆やゴマなどを摂取することです。
10、 まとめ
「病は口から入ってくる」という怖い話をしました。
まとを得ていると思います。口に入れるものを選択すること、解毒や抗酸化、抗糖化をすることが大切です。
今回示した事項で、できることから実施して下さい。