AGE予防と健康
1. はじめに
毎回健康や抗酸化をテーマに記事を書いていますが、今回は料理の中にもあり、体内でも合成され、老化や病気の要因にもなるAGEについて記事をまとめることにします。
日ごろ何気なく調理をし、ご飯を食べ寝て起きてと、普段の生活をしていても体がさびる要因があちこちにあり、その中でもAGEは避けられないものですが、コントロールできるものですので、しっかりと対策をとって体を守る必要があります。
今回は、口に入るもの体内でも合成されるもので、AGE(最終糖化産物)とよばれる、過剰な糖からできる老化や病気の原因になる物質について語ります。
2. 体をむしばむもの
体に悪いものは様々あります。
高血糖、過剰な糖質、高脂質、高蛋白、酸化油、環境ホルモン、有害金属、過剰な動物性脂肪、タバコ、直射日光、洗剤に含まれる化学物質、食品添加物、大気汚染物質、農薬、塗料に使われる揮発性物質などなど、多くの物質群が我々の体に侵入し、健康を脅かしています。
「病は口から入ってくる」という言葉があります。
体に何を入れるか、文明が発達し化学物質が増えた今だからこそ考える必要があります。
おいしーものは、必ずしもヘルシーではありません。
「美味しいから食べる」を見直して、「ヘルシーだから食べる」とする考え方に変えることも自分や家族を守るために必要なテーマになってくると思います。
3. AGEとは
今回のテーマ、AGE(エージーイー)とは何でしょうか?
日本語では最終糖化産物というこの物質は、糖とアミノ酸が結合してできる物質で血糖値が高くなった場合に体内でも合成されますが、食材にも最初から含まれる場合や調理過程、特に加熱調理で合成されます。
AGEは色がついた食品に多く含まれています。ホットケーキを加熱していくと、だんだんと茶色が濃くなってきますね、その色のついた部分にAGEが大量に含まれます。トーストの焼いた部分、肉や魚のおこげもそうです。
体内で合成される場合は、高血糖が要因となります。特に食後の血糖値が高い方は体内で合成されるAGE量が多くなります。空腹時の血糖は正常でも食後の血糖が高い場合は少なくありません。そのため健康診断では食後の血糖も測定することをお勧めします。
AGEは蓄積性があり何も対策をしないと体内量は増える一方で、年を重ねるにつれて増加してきます。
今では体内のAGE量を測定することができるので、一度測定してみて下さい。
4. AGEの害
AGEがもたらす害は様々ありますが、その一番は活性酸素を増やし、酸化障害をもたらします。特に酸化に弱い膵臓はその影響を受け、血糖値を調整する能力が低下し、次第に高血糖になります。
AGEは炎症を起こす物質であるため、老化、皮膚のシミ、しわ、動脈硬化、癌、アルツハイマー、腎不全、心筋梗塞、脳卒中、白内障、網膜疾患と関係します。
生活習慣病のもと、となる物質です。
5. AGEは料理から入る
AGEは体内で合成される以外に食材や料理にも含有されています。
電子レンジを含む加熱料理で合成されることが多く、特に揚げた料理には大量のAGEが含まれています。
カリカリに焼いたベーコンには大量のAGEが含まれています。
生の食材だとAGEは非常に少ないので健康的な食事を目指す場合は、サラダや刺身のように生食をお勧めします。
生食、蒸す、ゆでる、煮る、炒める、焼く、揚げる、の順にAGEが多くなります。
煮る場合も時間が長くなればなるほどAGE量が増えます。健康的には、煮物はできたら早い段階で完食した方がよさそうです。
生食、蒸す、ゆでる料理を多くして、揚げるなどの調理法を減らすことでAGEの蓄積を防ぐことが、アンチエイジングになります。
6. AGEの対策
溜まったAGEを減らすことは可能です。
まずは、AGEを溜めないように高血糖を避けること、果糖やブドウ糖など甘いものの摂取を控えること、高温加熱料理を控えることなどの対策をして頂いた上で実施してもらいたいことがあります。
食物繊維の摂取は食事中のAGEの吸収を抑制する効果があり、高温で調理した料理を頂く際には、ゴボウ、タケノコ、シラタキ、トマト、キュウリ、キノコ類、海藻類などと一緒に頂くのがいいと思います。
アーモンドを摂取すると体内に蓄積されたAGEが減少するので、1日20粒ほど頂いて下さい。
7. まとめ
AGEの害から体を守ることをテーマに語りました。
食中毒予防のためにも、夏場は加熱することが大切になってきますが、低温でじっくり加熱するコンフィなどの調理を取り入れてみてはいかがでしょうか?
さらに、サラダにアーモンドを入れるのもおしゃれかつおいしー&ヘルシーになりますね。