コレステロール代謝と体内環境
1. はじめに
タイラズメソッドでは、代謝経路図にNo.1からNo.32のナンバーをつけて、総論・各論セミナーでお渡ししています。
No.1、No.2ともに、コレステロールに関しての代謝経路図であり、コレステロールがいかに基本かつ重要であるかを物語っています。
今回はこのコレステロールの代謝について、まとめてみたいと思います。
2. コレステロールが合成されるまで
食事中のアミノ酸や脂肪、糖質は、アセチルCoAに代謝され、ここからコレステロール、中性脂肪、コエンザイムQ10などの活性物質ができます。
コレステロールは細胞膜の成分として、中性脂肪はエネルギー源、コエンザイムQ10はエネルギー産生に必要であり、コレステロールが合成されるためにはATP、ビタミンB3、NADPHなどが必要であり、しかも小胞体機能が必要です。
3. 胆汁酸合成
コレステロールの8割は胆汁酸に代謝されます。
胆汁は、脂溶性ビタミンの吸収促進以外に甲状腺ホルモンの合成にも関与します。
ビタミンKと甲状腺ホルモンは抗炎症作用があるので、体内炎症を抑制するのに役だっています。
さらに胆汁酸は腸内の殺菌をして腸内環境を整えます。
以上から腸内環境にとって、コレステロールから胆汁酸の合成は非常に重要です。
4. アセチルコリン合成
コレステロールから合成されるDHEAは、その後DHEA-Sとなり活性型になりますが、炎症があるとその合成量が低下します。
DHEA-SはLカルニチンからアセチルLカルニチンの合成を促進する作用がありますが、炎症によりTGF―βが上昇するとアセチルLカルニチンの合成が減少し、結果としてアセチルコリンの合成量が低下し、認知機能にも影響します。
DHEAからは、性ホルモンやコルチゾールも合成され、免疫や活動性、メンタルにも影響します。
5. まとめ
今回はコレステロール代謝について、簡潔にまとめました。
コレステロール代謝の不具合は、人体の活動性、メンタル、エネルギー産生、抗炎症、免疫などの多くのシステムに影響を与えます。
そのためコレステロール代謝の正常化は、栄養療法にとって、基本かつ重要な役割を担うものとなります。
今後、ユーチューブ動画でも、コレステロール代謝について語りたいと思います。
これを機にコレステロール代謝を見直しては、いかがでしょうか?