野菜スープのすすめ
1、はじめに
ほとんどのスーパーの入口付近で最初に目にするのは野菜の陳列棚だと思います。
いかに野菜を多くの人が求めているのかがわかる場面だと思います。
人類史でも栽培による野菜食は肉食よりも遅く出現してきますが、栽培技術が整ってきたときから野菜はだいぶ身近な存在となりました。
今では季節ものでも年中手に入る野菜ですので、多くの野菜がいつでも食卓に上っています。
今回は、野菜の活用方法でも野菜スープという格別の調理法とその意義について述べてみたいと思います。
2、野菜が体にやさしい理由
野菜が体にいいといってもいったいどのようなものがいいのか、直観的にわかっても、詳細についてはあまり知られていないと思います。
野菜が体にいい理由は、いくつかありますが、体のさびを取り除く抗酸化物質が豊富にあること、生理作用があるフィトケミカルという物質、中には免疫を上げる物質もあります、が多く含まれていること、ビタミンやミネラルが含まれていること、食物繊維が多いことなどです。
実際に舞茸やアスパラガス、ニガウリ、ブロッコリー、白ネギには免疫を上げる物質が含まれます。
新型コロナウイルスが流行している今の時期、使わない手はないですよね。
レッツクッキングといきたいところです。
特に現状では、ビタミンDと免疫活性物質のβグルカンがある舞茸を多用するべきです。
さらには免疫を上げる亜鉛を含む豆類、特に日本人になじみ深い大豆製品を使用して下さい。
フィトケミカルとしては、玉ねぎのケルセチン、トマトのリコピン、ブロッコリーやブロッコリースプラウトのスルフォラファン、大豆のイソフラボン、ゴマのリグナン、ブドウ皮のレスベラトロールなどが有名です。いずれも抗酸化作用や体にいい作用があります。
3、加熱をする理由
野菜を摂取する方法は、チャンプルー(炒め物)以外にも、生で頂くスムージーもありますが、私は野菜スープをお勧めします。
加熱により摂取しやすい上に、スープに栄養素が溶け出し吸収しやすいからです。子供から大人までスープなら難なく栄養素を摂取できます。
野菜の加熱による利点は、食中毒対策になること、野菜が持つ生で食べると毒性がある成分の毒性を軽減することにもなります。
トマトのリコピンのように過熱により吸収がよくなる成分もあります。当然加熱に弱い野菜成分もあります。茄子科の食物に含まれ食中毒を起こす野菜成分レクチンは十分な加熱により不活化されるので、安全に吸収よく摂取するには加熱してスープにして頂くのがお勧です。
さらに野菜だけでなく、鶏胸肉は30分以上煮込むとその中に含まれるイミダゾールジペプチドという成分が溶け出し、これが抗疲労効果があるので、薬膳スープにもなります。
4、スープに入れるもの
本格レシピでスープにお勧めの具材は、オクラ、アスパラガス、大豆、玉ねぎ、にんにく、豆類、白ネギ、パセリ、セロリ、ネギ、レタス、キャベツ、三つ葉、ブロッコリー、ブロッコリースプラウト、春菊、小松菜、シソ、ほうれん草、トマト、干し椎茸、舞茸、ピーマン、ビーツ、生姜です。
蛋白質では、豆腐、鶏胸肉、ホタテ、エビ、イカ、牡蠣などです。
野菜スープだけでは蛋白質が減ってしますので、これらの具材も必要です。
上記の5~10種類を選択して、いずれも細かくカットしていれて下さい。特にお勧めは、舞茸、白ネギ、トマト、小松菜、玉ねぎ、鶏むね肉です。
出汁は、カツオ、昆布、煮干いずれでも使用して下さい。
弱火でコトコト30分以上煮るのがコツです。
高温で加熱すると体に悪いAGEがたくさん産生されるので、弱火がいいスープを作るコツです。
簡単レシピは、オクラ、トマト、シソにお好みで鶏むね肉かホタテ、イカを入れて少量でスープを作るのもいいです。簡単レシピのコツはシソです。一度試して下さい。シソをスープに入れると風味が増し、夏にもってこいのさわやかな味になります。
上記の本格レシピと簡単レシピ、いずれも抗酸化成分が大量に溶け込んでいる上、免疫を上げる、疲労をとる成分が入っているため、薬膳として活用できます。
5、まとめ
今回は、野菜スープについて語りました。
でも日本において、古来からみそ汁に豆腐やワカメを入れて飲む習慣、これぞまさしく発酵した野菜スープです。
私が紹介したレシピは、和食の応用編ですが、今の時期だからぜひ試して頂きたい一品です。今夜は、野菜スープ、いかがですか?